2021年9月26日追記:この問題は最新のBIOSにアップデートすると治りました。
いろいろあってPanasonicのCF-MX4GDKCSという、core i3 搭載の官公庁向けモデルのLet's noteを手に入れました(稼働時間400時間程度のほぼ新品)。これまでLenovoのX220を使っていたのですが、重くて背負うと肩こりに悩まされていたので、ちょうどよかった考えていました。(キーボードはX220が好みなのですが、重さが……)
ですが、ここで大問題がありました。
バッテリー駆動時に、なぜかクロック周波数が0.6GHzに固定されてしまうのです。
Windowsの電源管理項目について、レジストリを書き換えて全項目出してから、すべての項目をいじっても効果なし。再セットアップでWin7やWin8にレストアしても、Win10をクリーンインストールしても効果なし。BIOSアップデート、電源管理プログラム(機械側の)のアップデートをしても効果なし。BIOSについては、そもそもCPUの設定項目すらありません。CPU-Zで挙動を見ていると、電源に接続したときはクロックが2.1GHzまで上昇するものの、電源を抜いた瞬間に0.6GHzに固定されるようです。
ダメ元でPanasonicの相談センターに電話してみたところ、丁寧にご対応いただけたのですが、core i3 モデルが手元になくて調査できないということと、通常そのような挙動は考えにくいが、BIOSでは設定項目もないし、主に官公庁向けモデルなので、何等かの制限があって“仕様”なんじゃないか、という回答をもらいました。
仕様って……orz
しかし、いろいろと調べてみるとなんとなく似たような状態の記述を発見
Let'snote S10にWindwos10をインストール:Arbitrary Tech
http://arbitrarytech.blogspot.jp/2015/08/letsnote-s10windwos10.html
どうやら「ThrottleStop」というソフトでCPUのクロックを強制的に上昇できるということで、一縷の望みをかけてインストール。
ソフトはこちら https://www.techpowerup.com/download/techpowerup-throttlestop/
そして、CPUの様子をみてみると「Disable turbo」という項目にチェックが入っていることを発見。
外してみたところ、みるみるクロックが上がるではないですか。
(画像の赤い〇の部分です。画像はチェックを外した後の様子です)
理由は不明ですが、バッテリ駆動時は、インテルのCPUに対して、ターボ機能(と一緒に、通常の範囲内でクロックを上げ下げする挙動にも影響?)を無効にするようにデフォルトで設定されているようです。
そして、ThrottleStopを用いて、Turboを有効にしてあげると、バッテリ駆動時でもクロックが通常通り変動するようになりました。
このソフトは管理者権限が必要なので、
https://pc-karuma.net/windows-10-task-schedule-without-uac-prompt/
この辺をつかって、自動起動に設定しとくと便利です。
ThrottleStopは、一度起動させれば、設定すればTurboば有効になりっぱなしにできるようなので、途中で終了させても問題なさそうです。(たまに無効になっているときがあるので、私は起動しっぱなしにしていますが)
Panasonicがなぜこんな仕様にしたのか謎ですが(バッテリ持ちのためかな? あと、官公庁モデルなので何か特別な事情があるのかもしれません)、一応回避方法を発見したということでご報告です。
<追記>
いろいろとコメントをいただいたので引用しつつ紹介します。
低クロックで固定されてしまうのはIntel SpeedStepのバグらしく、PCの仕様というわけではなさそうです。
このバグが発現する条件がよくわかんないのですが、今回のように何か設定を変更すると直ったりします。
— めむくろ (@MEMchro) 2017年10月21日
ということらしいので、インテルのCPUの問題っぽいです。
そして、このページの事象についてはブログにて紹介してくださっており、
「以下は私の仮説です。cTDPやターボブーストは、「このCPUを装着したとき、この機能は有効、この機能は無効」という情報を、BIOSの変更できない領域へ、PCメーカーが開発時に設定しておくものと思います。原因がこの設定ミスとするなら、同じシリーズ内でも特定のCPUを搭載した機種でしか症状が出ない事になります。この場合は同機種の同構成ならば、個体差では無く必ず症状が発現する事になりますが、私のLIFEBOOKのように関係なさそうな設定も症状に関係してくるとなると、実際に症状が出る個体はあまり多くないのかもしれません。」
とこのLet's noteの件についても考察して下さいました。
【PC不具合】CPUクロックが上がらない:MEMchro++
http://mem96.moe-nifty.com/clock/2016/09/pccpu-8602.html
なお、このページでは FUJITSU LIFEBOOK WS1/W で類似の症状がAC電源接続時のみ発生したことが主に紹介されており、原因は富士通のバッテリーユーティリティソフトの設定だったとのことですが、このように他の何かの設定も絡んでいるとすると、ますます素人が解決するには難しそうです。
あと、そもそも core i3 はターボブースト対応してねえよという突っ込みもありましたが、確かにその通りなんですが、とはいえThrottleStopで、Disable Turboを解除すると、普通にクロックが上昇するので、もう細かいこと考えるのはあきらめました。
ですが、こんな可能性もある、ということで……。
そのソフトの中身がわからないのでなんともいえませんがそのフラグがcTDPのdisableになっている(兼ねている)のかもしれませんね。仕様をみるとcTDPでの制限周波数が600MHzになっていて一致しています。
— Koichi Soraku (@k_soraku) 2017年10月21日
あ、5010Uの"Configurable TDP-down Frequency"が600MHzだから600MHzの制限はたぶんこれだな。そしてソフトからTB ONでその制限が解除されるということはそれがcTDPをdisableするフラグになっているのかな?
— Koichi Soraku (@k_soraku) 2017年10月21日
3を— Koichi Soraku (@k_soraku) 2017年10月21日
インテル謹製の純正OCソフトでは、やっぱり制御の改善は不能でした。
最後に、勝手な憶測ですが、i3搭載モデルは、官公庁/SOHO向けで、ほとんど市販されていないモデルなので、不具合報告とかも特に無いんじゃないかと思います。
そして、これももう単なる憶測なんですが、通常i5を搭載する機種に、都合により(?)i3を乗っけているので、なんらかの不具合がでてるのかなーと。
とりあえず、上述のソフトを使って強制的にCPUをたたき起こせば使えるので、(譲り受けたものだし)道具として使う分には満足なので、別にいいのですが、普通のユーザーがこれに遭遇したらかなり困りそうだなとは思いました。
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