※注意※ 以下は高校時代からPCを自作した経験があり、しかも結果的に動かなくてもいいという割り切りで実施したものなので、安全安心にプレイしたい人にはまったくおすすめしません。また、真似したとしても一切責任を負いません。
皆さん、よいVRChatライフを送っていますか?
こんにちは。VRC界隈向けではVN3ライセンスというアバター等向けの利用規約ひな形をつくっていたり、クリプトアイドルメタバースというアイドルグループで総選挙1位のあしやまです。
2022年現在自分のVRChat環境は、自作PC+Quest2 or VIVE無印+トラッカーという状況ですが、ここで使っている自作PCは2019年に6万円未満で作成したものが現役で稼働しています。
タイトルにもあるPCの値段ですが、16万円の間違いではなく「6万円です」
巷ではVRChatをプレイするには20万円くらいのゲーミングPCが必要という噂が流れていますが、自分自身が身をもって、必ずしもそこまでお金が掛かるわけではないというお話をします。
キワモノPCを作成したきっかけというか、VRChatを始めたきっかけ
そもそもなぜVRChatを物理的に始めたのかについて順を追って説明します。
もともと自分はとあるVTuber兼VRChat民の友人とリアルで知り合いで、VRChatが面白いというお話を聞いていました。また、自分自身VR機器は2014年ごろのOculus Rift DK1の時代からしばしばプレイしていたのでVR機器にはある程度慣れていました。
そんな中、2019年に某フリマサイトでVIVE無印+トラッカー(2018)×3のセットで65000円という超お値打ち価格の品が出ていたので、速攻で買ったというのが始まりでした(推測ですがVRChatを引退した人のもののようでした)。
ですが自分の既存のPCは拡張性がそこそこのものだったのと、VRをプレイした結果メインPCが壊れるのはまずいので、新規にPCを作ることにしました。
ですが突発的にVR機器を買った手前、無限にお金があるわけでもないので「とりあえず動く」をモットーにPCをそろえることにしました。
つまり、壊れても後悔しないを前提に、VRChatがそれなりに快適に遊べる専用ゲーミングPCをできるだけ安く作る事にチャレンジしてみました。
とりあえずVRが動くPCの要件
2019年当時と現在でもあまりVRに必要とされる公称スペックは変わりないので、現在求められるスペックの最低限をここに記載してみます。
■HTC VIVE(無印)(推奨)
CPU Intel™ Core™ i5-4590、AMD FX™ 8350
GPU NVIDIA GeForce™ GTX 1060、AMD Radeon™ RX 480
※エンタープライズVRソリューションを最適なグラフィックでご利用いただくには、NVIDIA GeForce GTX 1070/Quadro P5000以上、もしくはAMD Radeon Vega 56/Pro WX7100/FirePro W9100以上
メモリ 4GB
■VRChat(推奨)
CPU Intel® i5-6500 / AMD Ryzen 5 1600
GPU GeForce® GTX 1060 / AMD Radeon™ RX 580
メモリ 8GB
■Quest2(推奨)
CPU Intel i5-4590 / AMD Ryzen 5 1500X以上
GPU NVIDIA GeForce GTX 970 / AMD 400シリーズ(メモリ6G以上)
メモリ 8GB
上記を眺めるとわかりますが、CPUの性能はあまり求められておらず、GPUの性能が割とシビアであることが分かります。またこれは後から知ったことですがCPUは4C4TだとVRChatの音声処理がラグることがあるらしく、4C8Tあると安心とのこと。
つまり、具体的にはIntel・NVIDIA基準でみると、
CPU i5-6500 and 4C8T 以上
GPU GTX 1070(メモリ6G)以上
あれば、割と動くっぽいことが推測されます。
メモリ増強はいくらでもできるので後で考えればよい話です。
とりあえずVRが動くPCを最安でそろえるには?
上記で示したCPUやGPUよりもより良い性能のものが搭載されたPCをつくればよいということになります。この時、安く作るには同等以上の性能の中古を採用すればよいということになります。
そこで自分はCPUは第4世代Coreの i7-4790(2014年発売!) に狙いを定め、GPUはGTX1080に狙いを定めることにしました。また筐体、マザーボード、電源などを個別に揃えるよりは、すでに全部そろっているものを選べば安く済みます(取り敢えず動くを目指す場合は、個別に選定するよりすでに組んである中古を買った方が安いので、稼働中に壊れたらその時考えることにします)。
つまり、4790を搭載した中古PCを格安で手に入れ、1080を突っ込んで、メモリやSSDを追加すればよいということになります。
構成と実際に掛かった費用・内訳
完成した構成と費用は次の通りです
OS Windows10Pro
CPU i7-4790
GPU GTX 1080(ZOTAC AMP Extreme)
メモリ 20GB(4GB+8GB*2)
SSD 480GB+HDD 500GB(500×2 RAID1構成)
合計:約57000円
<2022年6月19日追記>
最近、4GBのDDR3メモリを1000円で購入してメモリは合計24GBとしました。結果的により安定するようになったように思うので、デュアルチャンネルはちゃんと動かしたほうがよかったり、追加1000円で増強できるなら増強したほうがよさそうです。
<追記おわり>
詳しい内容は次の通りです。
・中古PC(EPSON MR7200)(筐体、i7-4790、650W電源、4GBメモリ、HDD 500GB×2、Windows7COAラベル、Win10Pro認証済み):15000円(ヤフオク)
EPSON MR7200 |
・GPU GTX 1080(ZOTAC AMP Extreme):30000円(フリマサイト)
ZOTAC GTX 1080 AMP Extreme |
・SSD 480GB(新品):6000円(新品)(NTT-X Store)
・メモリ16G(新品):6000円(新品)(NTT-X Store)
中古品の入手経路はヤフオクやフリマサイトなどでした。
法人向けや売れ筋のBTOのPCは格安で取引されていることがあり、たまたま運よくいい仕様のものを仕入れることができました。注意点としては、GPUを入れる物理的スペースが確保されているかが大事であり、これは購入前にメーカーサイトやニュース記事、画像検索などを確認して内部構造を把握する必要があります。またメモリの世代や、ECC対応非対応もチェックした方がいいと思います。
上記の中古品ですが、雰囲気からしてPCはおそらくどこかの企業で使われたもののようで、GPUは時期的に考えてBitcoinのマイニングに使われたものだと思われます。
組み立てて試験稼働させる
各種パーツを筐体に組み立てるとこのようになりました。
GPUもちゃんと(筐体ギリギリ)収まっており(エアフロ―を考慮すると割と微妙ですが)、コンパクトにまとまっています。GPUはそのままだと自重でたわんでしまうため、本体にあった穴を通して結束バンドで上から吊ってあります。
<2022年6月19日追記>
<追記おわり>
このあとSSD・HDDをフォーマット後、SSDにWindows10をインストールし、HDDは2台でRAID1にしました。
OSセットアップ、各種ドライバインストール後、稼働試験で伝統と格式のあるベンチマークソフト「ゆめりあベンチマーク」を起動させるとちゃんと動きました。
互換モードにすれば令和でも動く |
なお、PC起動中にGPUがゲーミングな光り方をして困ったのですが、公式がリリースしているチューニング用ソフトをインストールすることで、消灯することが出来ました。
実際にVRChatをプレイしてみる
実際にVRChatをプレイするとこんな感じに動きます。
個人的な体感ですが、割と快適にプレイできます。極端にラグることもなく、自分やほかの人の動きが固まってしまうことも殆どありません。
以下は、Meta(Oculus) Quest2をAirLinkでつなげた状態でSteamのVRChatをプレイしたときのスクショ等です。
10人以上いるワールドで36FPS |
自分しかいないワールドだと90FPS出る |
最後に
上記のように、VRChatをとりあえずプレイしただけならば、6万円程度でゲーミングPCを作ることができました。また、この構成はVRChatやVIVEなどが推奨するスペックのボトムを狙ったような状況であるとも考えられます。
これにQuest2とharitoraを組み合わせたり、中古のVIVEを組み合わせたりしたら、何もない状況から15万円以内でフルトラ環境を構成することもできると思います。
ただ、問題点がないことはないのも実情です。
まず、エアフロ―を特に考慮していないので熱の管理がいい加減ですし、そもそも中古のパーツを多用しているのでいつ壊れてもおかしくはありません。
また、何世代も前の製品を利用しているため、現在マイクロソフトが示しているWindows11の要件を満たしていません。また、GTX1080は最新のHTC製品(VIVE Pro 2)ではフル解像度が実現できません。
そのため、冒頭に書いたようにいつ壊れても後悔しない、使いつぶし前提のマシンとしては上出来だと思います。
ただ、PCの自作の経験がなかったり、上記記載内容について良く分からない場合はマネすることはおすすめしません。素直に一般的に推奨されているBTOパソコンなどを購入することをお勧めします。特にPCに詳しくないのならなおさら、スペックには余裕のあるものを使うことをお勧めします。
とはいえ、自作PCユーザー向けに、どのような要件で組めば最低限VRChatがそれなりに快適に動くかについての記事があまりなかったようにも思っていたので、この記事が何かの参考になれば幸いです。
上記のように、VRChatをとりあえずプレイしただけならば、6万円程度でゲーミングPCを作ることができました。また、この構成はVRChatやVIVEなどが推奨するスペックのボトムを狙ったような状況であるとも考えられます。
クリプトアイドルメタ―バースのメンバーで 中国のイベントに行ったときの写真 |
新品で構成した場合(2022/5/20追記)
上記のような推奨環境の下限の構成については、新品のパーツを使うなら
CPU Core i3 12100F :15000円
マザボ 任意 :13000円
筐体 任意:5000円
電源 任意(550~650W):7000円
OS Win10 Home(DSP) :15000円
合計55000円くらい
(中古品との差額+40000円くらい)
グラボ
RTX 3060 12GB :53000円
(中古のGTX 1080から+23000円くらい)
で組むことができるとは思います。
さらにSSD(400GB程度)とメモリ(16GB)で合計12000円程度なので、総額で120000円くらいになるかと思い、おそらくこの辺りが新品でVRChatのVRモードをそれなりに快適にプレイするための下限だと思います(ただ、せっかく新品を買うならもうちょっとお金を出して良いCPUにしたほうが良いとは思いますが、そうすると結局15万円くらいになります)。
RTX3060にした場合、同じワールドにいたプレイヤーから聞く限りVRChatの実効FPSは、GTX1080と比較しておおむね5FPSくらい改善する可能性があります。
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