無修正をなぜ頒布してはならないのかを法務大臣に直訴して聞き出した&訴訟します!

2024/12/26

みなさんこんにちは。あしやまひろこです。

以前「わいせつ物」の確認が公的機関でできると令和6年(2024年)3月22日Twitterに書き込みを行ってバズりましたが、あれから9か月の時を経て法務大臣から法的義務を負った見解を引き出すに至ったのでご報告いたします。


1.僕の立場

僕は今回のプロセスで、僕が提示した図版の「わいせつ性」については、「わいせつである」と思っています。そこに争いはありません。

ただし、これについて、「わいせつである」ことを予め相手に十分に伝えて、相手がそれでも見たいと言った場合については、相手に見せてもよいのではないか?と考えています。

詳しいことを書くとすごく長くなってしまいますが(さいたま地方法務局長に対する異議申し立て書 に書いてあります)、憲法上「表現の自由」と「知る権利」は最大限尊重されるべきで、これを否定できる場合というのは、何等かの人権が衝突している場合(わいせつ物については「見たくない人の権利」の保護)に限られるためです。

全員がわいせつ物を見たくて仕方がないというケースであれば、見せ合っても問題ないと思われるし、その行為を契約した書面は公証(違法無効なものは公証を受けられないから、翻って公証を受けたならば国はそれを違法無効ではないと考えたことになる)を受けられるはずです。


2.法務大臣の見解

結論として、法務大臣は以下の見解を示しました。
「公証役場は違法無効の判断の裁量権があり、判断することは裁量権の濫用にはならない」
(相手方を限定したとしても全体として公序良俗に反するという公証人の判断は裁量権の濫用ではない)
※さいたま地方法務局長とまったく同じ内容



3.ここに至るまでの経緯

ここに至るまでの経緯としては、次のような文書のやり取りを国と行いました。

【要約】わいせつ写真、わいせつイラストを、①無制限に頒布陳列する契約、②相手方の了承を事前に得た場合に頒布陳列する契約の、計4種類を作成し、公証を依頼した
※提出した書類には黒塗りはない
※公開するにあたって黒塗りにしたのは僕です。国が黒塗りにしたわけじゃないです。


※公証役場に提出するとなぜ適法性の確認やこの一連のプロセスが生じるかについてはこちらの記事をご覧ください

【要約】②の契約文書について、相手方の了承を得ていても図版のわいせつ性は減殺されないため全体として公序良俗(民法90条)に違反すると判断した。


【要約】公序良俗の定義を分解して考えた際に、最も問題となるのは刑法175条への抵触であるが、刑法175条はそのままでは違憲の推定を受けるべき規定であり、刑法175条が受容される根拠は見たくない人の保護および、それに関する善良なる風紀の維持にある。反対に言えば、このような人や社会の保護ができない場合にのみ、表現を規制することが許されるともいえる。この時、見せる相手、頒布する相手について了解を得たものだけに限定するならば、第三者への損害は生じないのであるから、人権の利益衡量を考えた場合、わいせつ表現を含めた表現の自由は担保されるべきであり、民法90条違反は生じないのだから公証は成立するべきである。

【要約】公証人は正当な理由がない限り嘱託を拒むことはできず、違法無効が明白になれば認証を与えられないところ、違法無効が明らかであるか否かは公証人に裁量権があるため、違法無効な法律行為を内容とするものであることを理由に認証を拒むことは正当な理由に該当し、裁量権の濫用ではない。

【要約】公証人もさいたま地方法務局長も、違法無効と考える理由について「全体として公序良俗に反する」としか述べておらず理由が不明確であり、不明確な理由により公証を拒否することは裁量権の濫用であり、特に同意によっても違法性が阻却しない理由を明らかにすべきである。また、さいたま地方法務局長宛にすでに述べた通り、民法90条違反は生じていないのだから公証は成立するべきである。

【要約】公証人は正当な理由がない限り嘱託を拒むことはできず、違法無効が明白になれば認証を与えられないところ、違法無効が明らかであるか否かは公証人に裁量権があるため、違法無効な法律行為を内容とするものであることを理由に認証を拒むことは正当な理由に該当し、裁量権の濫用ではない。理由の明示も十分である。


4.今後の展開

当然ですが、法務大臣の言っていることは(意味は分かるが)意味が分かりません。
理由は一応分かります。国(行政)が法律の有効無効を判断してしまうようなことは本来の仕事ではないので、判断できず、そのプロセスにのみ着目して回答をしたという話です。
しかし、4カ月もかかってこれというのはちょっと残念です。
ただ、法務大臣の決定が地方法務局長とまったく同じ内容という点はちょっとだけうれしいものがあります。つまり、国はそれだけ強い根拠をもって規制したいだけの理由が見つかっていないということの裏返しに思えるためです。

ただ、現在の公証人及び国の理屈でいえば、国民の権利を蔑ろにしており、「公の秩序」のようなもので「表現の自由」を規制できるという考えは、明治憲法下の大日本帝国の考えと変わりなく、今日的な憲法学の通説からしても「おかしい」です。
したがって、法務大臣の決定は取り消されるべきだと考えており、公証はなされるべきだと考えます。

そのため、最初に公証を受けに行ったのが川口公証役場でしたから、さいたま地方裁判所に対して、
①法務大臣の決定の取り消し 
②公証を行う義務付け 
③被った損害賠償の請求(※訴額が決まらないと裁判の金額が決まらないので便宜的なものです)
を訴える予定です。


5.付随的な新発見について

新発見その1 捕まらなくても「わいせつ物」か否かの判断を国から得られる

公証役場の見解が示すとおり、刑事事件にならずとも国から「わいせつ物」であることの判定を受けることができています。つまり、捕まらなければわいせつ物か否かが分からないという従来のわいせつ絡みの問題提起について、捕まらずとも行政に判断させることが可能ということは分かりました。
司法の判断ではないですが、その一方で警察や検察の判断も行政であり、公証役場の見解は理論的には法務大臣の見解と一致するはず(公証人法施行規則35条)なので警察や検察の判断ともほぼ同様なのではないかと推測します。そもそも公証人とは検察・裁判官・法務官僚のいずれかがなるポストなので。
また、異議申し立てをすれば司法判断を仰ぐこともできるはずです。捕まらずとも。

新発見その2 準抽象的違憲訴訟ができる

いまからさいたま地裁へ提訴しようと思っていることがそれです。事件といえば事件ですが、きわめて理論的な問題提起であり、自由に問題を組み立てて書類の成立/不成立という事件化させることにより、訴訟ができます(今回処分が起きてるので、事件が発生してます)。つまり、抽象的ではないかもしれませんが、準抽象的違憲訴訟ができることになります。

新発見その3 公証のプロセスは異議申し立てしてもほぼ非公開

異議申し立てをした場合、情報公開請求の対象となります。実際にこの件を公開請求した人がいましたが軍事機密か?というくらいの真っ黒な何かが開示されました。つまり、公証のプロセスは異議申し立てをしても、ほぼ非公開です。


6.応援やご意見の募集 ご寄付の受付


私自身法律の素人です。ですから、いろいろな人の知見をお借りしてことを進めていきたいと思います。応援してくださる方は下記の方法でお願いします。

1.Twitterのフォローとアドバイスの送付
私のアカウントは @hiroko_tb です。
今後の訴訟に関する情報も随時発信していく予定なので、フォローください。
また、訴訟に関するアドバイスなどあれば、ぜひリプライやDMでお送りください。

2.裁判に用いる文書や参考文書の受付
さいたま地裁に送る訴状の案はこちらです
なにか訴訟にさいしてアドバイスあればお教えください。
あるいは示すべき参考資料などある場合はぜひお知らせください。

3.カンパ募集
カンパを募集しています。やる気の維持のためと、訴訟にはお金がかかるためです。
ほしいものリストからぜひカンパをお願いします。



余談



はい。大きいです。大きいのを今の時点で見せられなくてすみません。
絶対裁判に勝って大きいの見せられるように頑張ります。 

バナーリンク
全国児童養護施設総合寄付サイト

コメントを投稿

0 コメント